悲しみの悲しみ
2008年4月28日(月)
剣の刃を跪いた肩に受け
愛する婦人の為に戦い
そして死に果てることは
或いは先立った恋人を追い
自らの死を呼び寄せ
自ら命を絶つことは
辛いのは痛みではない
瞬間であれば、どんな痛みさえ
大義を背負えば尚更のこと
我が身をぞんざいに草地に投げ棄て
崖の上、悲しい目で、遠くを見詰めている
私の双眼は遠く、悲しい
しかし、瞳は死せず、小さな火がくすぶる
思い出の残像に焦点が合ったまま
炎が揺れるから、涙もそっと揺れるのだ
時、二人を引き裂き、二人を絶った
時、時間、痛みの生命
無窮の悲しみは永久に私を苦しめる
嗚呼、生きることは何と辛いこと
君の微笑みを見ることなく
君無くして生き続けることは
嗚呼、私達は
2008年4月23日(水)
私は丁寧にお辞儀をする
貴方は顔を赤らめる
嗚呼、私達は手を合わせる
私は腰に手を回す
貴方は頬を引っ叩く
嗚呼、私達は手を合わせる
貴方は私を引き寄せる
私はそっと微笑みを隠す
嗚呼、私達は再び抱き合う
貴方の手が遠く離れる
私は素早く唇を奪う
嗚呼、私達は再び抱き合う
嗚呼、私達は踊っている
嗚呼、私達は愛の只中
嗚呼、私達は生きている
裸足でショパンを聴きながら
2008年4月19日(土)
可愛い人よ
額縁の中、セピア色の夏の思い出
ビーチパラソルが風に舞い
君の長い巻き髪が風になびく
松林の陰に隠れ
潮風を胸一杯に愛し合った
愛しい人よ
それから、あの桟橋、朝靄の中の
白い別荘、白いヨット、緑萌える庭の芝
長椅子にもたれ、テラスでの永遠の午後
君が取り分けてくれたレタスの葉
僕達の青春は、あの午後のピクニックのように
美しい人よ
砂の城は崩れてしまった
白いカモメは飛び去ってしまった
砂浜の足跡は消えてしまった
波は只、寄せては返す
僕達の時間、心の中を
優しい人よ
物悲しい程に美しく、静かな一日
寄木の床を渡り、窓際に頬杖を突いて見下ろすと
白い噴水の横、子供等が戯れている
ずっと遠く、湖が山間に蒼く、揺れている
そして、額縁の中、君の微笑みはもう動かない
いま時間は身を傾けて 私に触れる
2008年4月19日(土)
いま時間は身を傾けて 私に触れる
明るい 金属的な響をたてて。
私の感覚はふるえる 私は感じる 私にはできると–
そして造形的な日をとらえる
私が眼にとめるまで何ひとつ完成されてはいなかった
すべての生成がとまっていた
私の眼ざしは熟れている そして花嫁のように
どの一瞥にもその欲する事物がやって来る
何ものも私にとって小さすぎはしない それでも私はそれを愛し
金地のうえにそれを大きく画いて
高く掲げる そして知らない
それが誰の魂を解き放すかを・・・
愛は
2008年4月6日(日)
愛は季節の中にあった
愛は誓いの中にあった
愛は涙の中にあった
愛は精神の中にあった
愛は心の中にあった
愛は言葉の中にあった
木々のざわめき
小川のせせらぎ
小鳥のさえずり
私達の囁き
愛は生き様の中にある
愛は行いの中にある
愛は汗の中にある
愛は魂の中にある
愛は存在の中にある
愛は寡黙の中にある
森の言葉
水の言葉
動物の言葉
愛の言葉
証
2008年4月5日(土)
一人の女性一枚の鏡一対の微笑み一月の戸惑い一輪の野バラ一組の手一日の幸福一度の抱擁一回のキス一束の髪一吹きの香水一晩の戯れ一瞬の叫び一つの誓い一夜の夢一年の後一個の思い出一冊の日記一本のシガレット一粒の涙一瓶のアルコール一杯の悲しみ一かけらの恋一生の傷一編の詩
ああ、真実の悲しみの中、哀歌は何と耐え難いものだ