11人の男と13歳の少女

2007年6月30日(土)

1番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

2番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

3番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

4番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

鬼達が私の名前を奪い
服も、体も、子宮も奪い
青春も、恋愛も、人生も奪い
心も、そして、涙をも奪った

5番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

6番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

7番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

8番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

鬼達が私の名前を奪い
服も、体も、子宮も奪い
青春も、恋愛も、人生も奪い
心も、そして、涙をも奪った

9番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

10番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

11番目の男が
私を殴り、しゃぶり、貫き、吐き出した

11番目の男が軍帽を被り直し
萎えた一物をせわしく拭きながら
にやけ顔で「天皇陛下万歳」と呟き
唾を吐いて出て行った

それが始まりの終わりだった

ミラボー橋(訳:佐藤洋平)

2007年6月16日(土)

ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる
そして二人の愛も
私は思い返さねばならないか
喜びは常に痛みの後に来たことを

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ
日々は過ぎ去り、私は留まる

手に手を取って、見詰め合おう
二人の腕の橋の下
永遠の眼差しと、疲れた流れ

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ
日々は過ぎ去り、私は留まる

愛は過ぎ去る、この水の流れの様に
愛は過ぎ去る
命は何と遅く
希望は何と乱暴なことだろう

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ
日々は過ぎ去り、私は留まる

日々が過ぎ、週が過ぎる
過ぎ去った時も
愛も戻らぬ
ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ
日々は過ぎ去り、私は留まる

Le Pont Mirabeau

2007年6月16日(土)

Sous le pont Mirabeau coule la Seine
Et nos amours
Faut-il qu’il m’en souvienne
La joie venait toujours après la peine.

Vienne la nuit sonne l’heure
Les jours s’en vont je demeure

Les mains dans les mains restons face à face
Tandis que sous
Le pont de nos bras passe
Des éternels regards l’onde si lasse

Vienne la nuit sonne l’heure
Les jours s’en vont je demeure

L’amour s’en va comme cette eau courante
L’amour s’en va
Comme la vie est lente
Et comme l’Espérance est violente

Vienne la nuit sonne l’heure
Les jours s’en vont je demeure

Passent les jours et passent les semaines
Ni temps passé
Ni les amours reviennent
Sous le pont Mirabeau coule la Seine

Vienne la nuit sonne l’heure
Les jours s’en vont je demeure

2007年6月12日(火)

朝日に照らされたシーツの上、
二人の恋人が死んでいた。
愛し合った夜の足跡が死んでいた。

あの青年は何処へ。
あの少女は何処へ。

幻の花園を一夜にして荒らした者達は、
無邪気な恋の笑い声は何処へ。

朝日に照らされたシーツの上、
二人の恋人が死んでいた。
愛し合った夜の足跡が死んでいた。

恋は夜露の如く姿を消し、
青春も月のように蒼褪めた。

二人の「大人」がベッドから起き上がり、
よそよそしく、僕達は死体を二つ片付ける。

砂漠の砂

2007年6月12日(火)

見るがいい
広がる砂漠を
動く砂丘を
舞う砂塵を
砂嵐を、風紋を

一粒の砂として捉える時
人を、世界を理解する

見るがいい
広がる砂漠を
動く砂丘を
舞う砂塵を
砂嵐を、風紋を

人生という生きた大学で
先ずは孤独を会得せよ

見るがいい
広がる砂漠を
動く砂丘を
舞う砂塵を
砂嵐を、風紋を

着色された同時代の人々と共に
砂時計の中を落ちているのだ

青紫のあじさい

2007年6月4日(月)

青紫色のあじさいが
雨に打たれて咲いている。
私の思い出のように
美しく蒼ざめた花々を無数にこらえている。
私の悲しみのように
大粒の雨が何日も降り続いている。

雨蛙達は色を変えて跳び去ることが出来るが、
あじさいの葉の上にのろのろと、
日々はかたつむりのように留まったままだ。

私の雨のように
大粒の悲しみが何日も降り続いている。
私は花々のような
美しく蒼ざめた思い出を無数にこらえている。
青紫色の思い出が、
悲しみに打たれて泣いている。

二人の関係

2007年6月4日(月)

麦藁帽子
笑顔
白い夏のドレス
鎖骨の形
雪の中の二つの足跡

シャンパーニュの味
キスの甘さ
煙草の苦さ

口唇の柔らかさ
暗闇の快楽
頬の痛み
手のぬくもり

笑い
泣き声
「さよなら」
囁き

ブルガリの香水
あなたの匂い
レモンティー
花束の香り

予感
幸福
不安
悲しみ
希望

「海岸」

2007年6月4日(月)

「海岸」、
あんたはスプーンの上でパスタを丸める。
「海岸」、
あんたは巻貝を左耳に当てる。
「海岸」、
あんたは、あんたは上の空。
「海岸」、
あの焼けつく太陽のように情熱を囁いているのに。