悲しい唄
2010年12月21日(火)
悲しい唄
小さな唄
美しい唄
私の唄
あなたの唄
悲しい唄
橋の無い断崖
2010年12月16日(木)
私は命を捧げる
私は惜しまない この小さな命を
風が吹いている
あなたと私の 私達の間を
それは崖の様
橋の無い断崖の様
私はあなたへ歩み寄る
私は命を捧げる
この美しい命を私は恥じない
与えられ 奪われて
2010年11月29日(月)
微笑み
憶えているのは君の微笑み
一面の菜の花畑 出逢った日の君の微笑み
愛
思い出すのは君の愛
照り付ける向日葵に隠れ 育んだ愛
涙
憶えているのは君の涙
枯葉舞う風の中 君の頬を伝わった涙
抱擁
思い出すのは君の抱擁
白い雪の下 眠っている君の抱擁
ドングリの並木道
2010年10月12日(火)
ドングリの実が一粒
私のベレー帽の上に落ちた
ペンキの剥げたベンチの上
ドングリの並木道
木のベンチが幾つかあった
真新しい緑のペンキに塗られていた
それは私の通学路だった
私は絵を勉強していた
ドングリの並木道を描いていたんだ
「痛い」という声が隣で聴こえた
そこに彼女が座っていた
麦わら帽子にドングリが落ちたんだ
「大丈夫ですか」と声を掛けた時だった
私の黒い学生帽にもドングリが落ちて来たんだ
私も「痛い」と言い 二人は笑った
その日から毎日 彼女とベンチに座った
それは彼女の通学路だったんだ
彼女は小説を読み 私は彼女の絵を描いた
毎日 彼女の絵を描いた
毎日 少しずつ絵が出来ていった
何枚もの絵が出来ていった
日に日に寒くなっていた
カーディガンがセーターになり
セーターがダッフルコートになった
秋も終わりに近づいた日
両手一杯のドングリを彼女がくれた
彼女を見たのは それが最後だった
「また明日」と微笑みを残して
遠い街に行ってしまった
父親が転勤になったそうだと噂に聴いた
雪の中 私はベンチに座って待っていた
また彼女が戻ってくると信じて
彼女の絵を描き続けた
やがて一年が過ぎ
またドングリの季節だった
私は高校を卒業していた
ベンチの上に麦わら帽子が置いてあった
ドングリの実が一杯に入っていた
「ごめんね」と書かれた手紙が入っていた
たやすい事 深い事
2010年10月2日(土)
死ぬことはたやすい
生きることは深い
生きることは苦しい
生きることは楽しい
生きることは深い
死ぬことはたやすい
生きることは悲しい
生きることは嬉しい
生きることは深い
死ぬことはたやすい
生きることは醜い
生きることは美しい
生きることは深い
死ぬことはたやすい
死ぬことはたやすい
生きることは深い
生の延長線上 遥か遠く
死が見事な肢体を横たえている
それは燃えさかる氷
それは凍りついた炎
生の延長線上 遥か遠く
その線が途切れるまで
Translucent bond
2010年9月29日(水)
物体に心を与えると
それが感情を持ち始める様に
私は私達の絆に魂を宛てがう
物体に心を与えると
それが固有の意志を持ち
鉛の兵隊が忠実に守るかの様に
私は私達の絆に魂を宛てがう
子供の様に 二人から自立した力が
しっかりと二人を繋ぎ留める様に
二人が瞳を閉じると
紺碧の海が果てしなく広がっている
それは存在しているのだ
二人が瞳を閉じると
新緑に萌える丘が何処までも続いている
それは存在しているのだ
二人が瞳を閉じると
それらは本当に存在しているのだ
二人の四つの瞳の中に
魂の絆に繋がれた二人
にわか雨の降り始めに
二人は空ろな微笑みを交わす
静寂の中 二人
2010年9月9日(木)
このコーヒー あなたと一緒に飲むコーヒー
人間の優しさの様にざらついている
あなたの声の様にざらついている
私は疲れた あなたも疲れた
愛することに 愛されることに
生きること 一緒に生きること
あなたの手が 大きく 温かく包む
私の毎日を人生を 私をしっかりと包む
私は握り返す あなたを見上げて 微笑んで
私達は疲れた 疲れ果てた
愛し合い続けることに
抱き合い 共に生き続けることに
ハーモニカの音が聴こえるね
あれは少年の頃の あなたが吹いている
風が吹いている 落ち葉が風に舞っている
出逢った頃の私達 何も知らず 何も言わず
只々 幸せに 胸ときめいていた私達
運命は余りに大きく 震えていた私達
生活は汗まみれ 涙まみれ
手垢の様に染み付いたあなたの愛の中
私の心は琥珀の様に 只 つるつると丸い
遠く 遥か遠くから ゆっくりと死がやって来る
遅いわね まだかしら 寄り道ばかりして
私は花 あなたは風 静寂の中 二人
The Aegean Sea
2010年8月7日(土)
Azure all over the sky
White all over the seagull
Azure all over the cupola
White all over the wall
Azure all over the door
Azure all over the window
Azure all over the balcony
White all over the table
Azure all over the chairs
White all over the beach
A seashell like my ear
Sound of waves echoing inside
Azure all over the sea
White all over the boat
Yeah, it’s his boat.