僕達が別れた時

2008年8月5日(火)

僕達が別れた時
僕達は知らなかった
私達は運命に従ったのではなかった

僕達が「さよなら」と告げた時
僕達は何も知らなかった
私達が もう二度と、その言葉を発することは無いと

僕達が「また、いつか」と微笑んだ時
僕達は何一つ知らなかった
私達の再会が、何と遥かに定められていたことか

僕達が別々の明日に歩み始めた時
僕達は何一つとして、知りはしなかった
私達の生活の延長線、二人が再び結ばれていることを

どうして知ることが出来たろう
孤独の中、一人で鼓動することの痛みを

運命の糸はもつれ、ほつれ
解けては、また 複雑に絡み合う

どうして知ることが出来たろう
別離は再会の序曲に過ぎず

そして、僕達は知らなかった
大きな、そして静かな愛の歓喜を!

僕達が別れた時
僕達は知らなかった
私達は運命に逆らったのではなかった

僕達が「さよなら」と告げた時
僕達は何も知らなかった
私達は もう二度と、その言葉を発しなくていい

僕達が「また、いつか」と微笑んだ時
僕達は何一つ知らなかった
私達の別れが、何と遥か遠いことだろう

僕達が別々の明日に歩み始めた時
僕達は何一つとして、知りはしなかった
私達の生活の延長線、二人が固く結ばれていたことを

白樺

2008年8月1日(金)

白樺の樹にもたれ、愛を綴った
素朴な言葉 日常の言葉
白樺の木陰に隠れ、愛を語った
僕の微笑み 君の微笑み

樹皮に刻まれた僕達の名前を
僕の名前を
僕の名前の君の名前を
追憶の川はめぐり、流れる

幾つかの恋 何本かの木
僕の歳月の中の白樺の林
恋多き君の白樺の森

その中の同じ一本に刻まれた
僕達の淡い約束
僕達の若い未来を

おお、何と果てしないことか

2008年7月21日(月)

おお、何と果てしないことか
たった一筋の樹が 孤独の中
頑なに立ち続けることは
ああ、一途に立ち続けるとは

静寂の只中
枯葉が地上で裏返る頃
ああ、一条の樹が立ち続けている
いつしか、遠く 遠い夢の中の樹よ

おお、何と無窮なことか
そっと一人の人間が 沈黙の中
ひたむきに愛し続けることは
ああ、一途に愛し続けるとは

星々は瞬いている
滑らかな湖面が人生を謳う時
ああ、私一人 物静かな声を聴いている
いつしか、遠く 遠い夢の中の恋人よ

ABC

2008年7月16日(水)

君に愛を伝えようと 僕は
ABC
ABC
僕はABCを繋ぎ合わせた

ABC
ABC
ABC
青春の咲き誇る頃

恋とは 涙とは 悲しみとは

僕の心を傷つけまいと 君は
ABC
ABC
君はABCを組み合わせた

ABC
ABC
ABC
君は僕に恋を教えた

恋とは 涙とは 悲しみとは

薄紅の窓

2008年7月13日(日)

薄紅のペンキに塗られた窓
若さの薫りに窓を開け放つ少女

それは 初恋の姿
それは あなたの姿

私は見上げていた
臆病の木の陰に隠れて

あなたは思い出すだろうか
かつて、私の神であったことを

そして誇らしげに微笑むだろうか
かつて、私の全てであったことに

恋は死に、私達は生き続ける
青春の姿を背負ったまま

夢枯れて、いつか私達も消えて行く
薄紅の窓の追憶と共に

雨の降り始めに

2008年7月9日(水)

雨が降り始め
ピアノが鳴り始めて
僕達の時が始まる

白い薔薇が花開き
静かな季節が花開き
僕達が花開く

薄蒼い大気の中
沈みがちな君と
君を抱きしめる僕と

寄り添って
二人、そっと寄り添って

窓の向こう
Douceな雨が囁いている

心身一体

2008年6月29日(日)

あなたが私の 横顔をなぞるから 私は 涙がダイヤになるのだと信じる

あなたが私の 髪に指を通すから 私は 闇は大きな優しい生き物と信じる

あなたが私の 肩を抱き締めるから 私は 青空に翼があると信じる

一輪のガーベラ

2008年6月16日(月)

記憶と忘却と思い出の中で愛し合い
印象と理論の中 日々を過ごし
信条と信仰の中を泳いでいる

踊る僕達の間に 踊る腕の輪の中に
ガーベラの大輪が 虹の様に花開く
灰色の静謐な大気の中
それは赤く それは白く それは黄色い

ガーベラの大輪が 虹の様に花開く
踊る僕達の間に 踊る腕の輪の中に

記憶と忘却と思い出の中
ガーベラの大輪が花開く
赤く 白く 黄色い虹が花開く